Part 1 ディーリープラザで何が起こったのかー事件発生

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夫人はホワイトハウスでの日々を回想した日記の中で、事件発生直後の様子をこう綴る。パークランド病院に搬送された大頭領一行に続いて夫人も病院に到着する。シークレットサービスに案内されジャクリーン夫人に会いに行く。「ジャッキーは廊下にいました。護衛もなくたった独りで。いままでにこんなにも独りぼっちだった人は見たことがありません」。ほどなく大統領の死亡が告げられ、副大統領の一行はダラス空港の大統領専用機に向かい、そこでジャクリーン夫人と大統領の遺体の到着を待つ。機内で夫人は、シークレットサービスが「われわれが護衛中に大統領を殺害されたのは初めてだ」と語っているのを耳にする。またダラス警察の署長は到着したジャクリーン夫人に警察は万全を尽くしたと力説する。しかし忘れられないのはジャクリーン夫人の外見だったと夫人は言う。「大統領夫人の服は血で染まっていました。片方の脚は血まみれ状態で、手袋にも血がこびりつき固まっていました。おそろしい光景でした。一点非の打ち所のない着こなしをした美しい女性が血にまみれていたのです」。写真を見てわかるようにジャクリーン夫人は当日ピンクのスーツを着用していた。 ワシントンへと向かう機内で大統領就任の宣誓を行ったジョンソンは1968年に大統領職を退き73年に死去。ケネディ大統領と同じ車に乗り銃弾で重傷を負った当時のテキサス州知事ジョン・コナリーは1993年に、隣に着席していたネリー夫人は2006年に死去している。発生以来50年を超える月日の長さを感じる。image=123542103.jpg
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