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駅を出て、少し歩いた所でユミは足を止めた。
目の前には大きなビル。
「ここ?ユミの彼氏が働いてる場所って…」
「…うん」
「そっか…。彼氏は何時くらいに仕事終わるの?」
「多分、6時ちょっと過ぎ…。あともう少しだと思う」
「えっ、じゃあ見つかったらまずいよ!とりあえず隠れなきゃっ」
「…あっ!そうだった!」
慌てて、あたし達は近くの駐車場にとめてあった車の後ろに隠れた。
「…危な~。先に向こうに見つかっちゃったら終わりだもんね」
そう言いながら苦笑いするユミ。
あたしも思わず、ため息をついた。
「ほんとだよ…。その瞬間に終わるよね…」
そんな会話を交わしながら二人で笑いあってた時…
「…あっ!!!出てきた!!」
ユミが目を見開きながら言った。
「…えっ!!」
あたしも慌てて、ユミの視線の先に目をやった。
すると、前にユミから携帯で見せてもらったことのある男の人が、タバコを取り出しながら歩いている姿が目に入った。
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