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「はっ!有り難うございます…」
言いながら俺はゆっくりと頭を上げてロードの顔を見た。
……目が笑ってない…。
『ほれシャーキ。早う任務を言い渡さんか~!』
飄々とラキアが言った。
「そうせかすな…。フォングス、来い」
「はっ!」
俺はその命令どおり立ってロードに近付いた。
そしてロードの前で跪く。
「…これを」
ロードは俺の目前に綺麗な小瓶と何か書かれた紙切れを差し出した。
俺はそれをそっと受け取った。
思わず目を見開く。
「……これは…!」
見覚えのある小瓶。
…これはあの時使った…。
「フッ…どうやら覚えているようだ」
「……また【暗殺者狩人-アサッシンハンター-】狩りですか…」
俺は顔を歪めそう呟いた。
ロードは足を組み俺を嘲笑うかのように見下ろした。
「なんだ、不服か?」
「……」
「…本来うちの一族の人間に、暗殺をやらせるのは20歳すぎてからだ。…15歳のお前が起用されている理由はわかっているだろう?」
俺は何も言わず俯いて立ち上がった。
「…【最高の暗殺者-アサッシスト-】、任務承りました」
ロードの方を見ずにそう素っ気なく言い、俺は振り向き出口に向かった。
「…フォングス、頼んだぞ」
背中からロードに声をかけられた。
「了解しました」
俺はそのまま歩みを止めず出口を見据えて言った。
「…アイツの事も、な」
「……!!!」
俺は勢い良く振り返りロードを睨み付けた。
「貴様に言われなくとも…!」
俺はそう言い捨てて、そのまま転送装置でワープした。
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