懐古の任務

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      「……お前は帰らないのか?」 『帰るぞえ。ワシはあんな装置使わずとも帰れるしの』 「……まぁ、そうだろうな」 ロードは自嘲の笑みを浮かべた。 その顔に冷や汗を流しながら。 「あんな殺気をだすのが齢15歳の少年か?」 固く拳を握り、ほんの小さな声でロードは言った。 しかし、ラキアはそれを聞き逃さない。 『アキラの話を出すお前が悪いんじゃろうが』 先程のフォングスの殺気は凄まじいものだった。 …例えそれを本人が自覚してなくとも。 暗殺者達のまとめ役、そのロードを震え上がらせるほどに… 『それじゃあ、ワシもおいとまするかの』 ラキアはロードを一瞥し、その目前で転送装置も使わずにフワリと消えた。 フォングスのあの殺気、そしてラキアの意図の読めない笑みに、ロードはゾッとした。 「……全ては【永遠の-エターナル-】の思惑通り、か」      
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