懐古の任務

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俺とラキアはロードの屋敷の近くまで来ると走るをやめ、ゆっくりと歩きだした。まぁ、腹立たしい事にラキアはさっきからずっと優雅に空をただよっているのだが。 俺は首に巻いている布でマスクをするように口を隠す。 そのまま屋敷に続く大通りを歩いた。 そこにいた奴等が俺の姿を見つける。 すると急に辺りはざわめきだした。 「なんでミュータントがこんな所に?」 「シャーキ様は何を考えてるんだ…」 「あぁ怖いわ!あの長い黒髪とそこから覗く忌々しい血色の目!」 「ラキア様もラキア様だ…あんな忌み子を育てるなど」 「またアイツに任務をさせるのか?…まだ15歳なのに…ミュータントめ!」 様々な悪口が聞こえてくる…。 『フンフンフンフンフフン~♪』 その全ての嫌悪の感情を一身に受けた俺の後ろで、ラキアは鼻歌まじりに宙をただよっている。 …なんて男だ。 俺は足早にそこを通り抜け、ロードの屋敷の玄関の前に立った。
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