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昔々『薔薇姫』と言う、それはそれは美しい少女が居りました。少女の髪は真紅に彩られ、肌は白く、唇は十分に赤みを帯び、頬はほんのりと桃色でした。まるで可憐な赤薔薇のようだったので、周りにはいつも愛を語らう男性や憧れを胸に秘めた少女達が居ました。
薔薇姫は男性には一切触れようとしません。周りの男性も今にも壊れてしまいそうな彼女の細い手足に無理矢理触れようとはしませんでした。
薔薇姫の傍には常に一人の少女が居ました。薔薇姫はその少女をこよなく愛しました。どんなに美しい姫とお話しをしても少女の事ばかりを気にしていました。
薔薇姫はいつまでもいつまでも、その少女を愛したのです。
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