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「メキシコ政府軍?」
國村の声が通信に入る!
「いや、違うだろう、メキシコ軍はF‐15を採用していない!ましてやストライクイーグルなど・・・」
「なら、あのF‐15は何なんですか!メキシコ軍でないとすると?」
語尾を濁す國村が何かに気付き話し出す。
「まさか・・・米軍?」
「そのまさかだ。相手は、あの米軍だ!」
伊達の言葉に全員が驚く。
「何故、米軍がメキシコに?」
「それは判らん。だが、ここまで堂々と飛んで来たんだ。メキシコ政府と何らかのコンタクトは取ってるに違い無い!」
「ましてや我々は、友軍識別信号を出してる訳でも、国籍を示す日本国旗を掲げている訳でもない、非公式戦闘部隊だ!」
「各機、この場をなんとしても切り抜けよ!その為の発砲を許可!我々の生存を最優先とし!集結地デルタへ向え、以上!」
伊達の命令により各機は、それぞれが【生存】の為に行動を開始する!が、3号機から射出されたUAVと各機のレーダーやセンサーが米軍の部隊を次々と発見し、無数の光点としてHUDにと映し出していた。
「こちら2号機、地上部隊です!この数・・・約、1個偵察大隊規模!?」
「多すぎる!3号機!米軍の無線を解読・傍受は出来るか?」
遠藤の通信を聞き、伊達が3号機に尋ねる。
「時間は掛かると思われますが可能です!」
「やってくれ!」
米軍の数はしかり、地上部隊のその光景は余りに異常だったのだ。
港湾施設攻撃から、メキシコ政府がアメリカに支援を要請したとしても対応が早過ぎ、まして地上部隊がこの場に居るなど絶対に有り得ない。
そう、米軍の目的は【特機小隊】なのである。
この計画は、南アフリカで記録された特機小隊をアメリカの近くにおびき寄せ、捕獲又は破壊を目的とし計画された物だった。
メキシコ合衆国
アカプルコより東100km
米海兵隊強襲揚陸艦
【エセックス】指揮所
「ここで部隊を展開しても宜しいのですか?」
この艦の艦長がそう尋ねる。
「心配ない、メキシコ政府も承認済だ。君はこの命令書が信用出来んのかね、中佐?」
「と・・・とんでもありません!しかし【ワドル准将】自ら指揮を取る作戦とは?」
「君が知る必要は無いのだよ!君は、与えられた任務とこの艦を指揮していれば問題ない!それとも私の作戦に何か問題があるとでも言うのかね?中佐?」
スクリーンを見ながら言う、ワドルに艦長はそれ以上何も言えず、指揮所を去っていく。
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