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どのくらい経ったろう。私はあのまま寝てしまったようで、気がつくと周りはすでに暗くなっていた。
徹平ちゃんと帰ったかな。
私は窓際に立ってちょうど向かいにある徹平の部屋を覗いた。
…誰もいない。
お弁当の事は確かに腹立つけど、そんなささいなことでずっと引きずって気まずくなるような関係じゃない。
私は徹平を一人おいて帰って来たことに少し後悔していた。
よし。謝りに行こう。
急いで部屋着に着替えて玄関に向かった。
「お母さんちょっと徹平んとこ行ってくる!」
勢い良く飛び出そうとした時だった。
「何しにいくの?置いて帰ってごめんねって謝りに?」
居間の方から徹平の声がする。ふと足元に目をやると徹平の靴がきちんとならんでいた。
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