部活

6/10
前へ
/300ページ
次へ
スラッと高い身長に整った目鼻立ち。 なんかの雑誌のモデルにこういう人がいたような…。 とにかく私は彼に見とれて暫く声が出せなかった。 「お~い、聞いてる?」 彼が私の顔を覗き込んで聞く。 (キャ~!) 叫びたい気持ちを押さえて私は答えた。 「あっあの…体育館に行きたいんですけどわからなくなっちゃって…。」 「えっ?体育館??体育館ならあそこ。ここまっすぐ行った突き当たりだよ?もう見えてるじゃん。」 またまた穴があったら入りたい気持ちになった。私は体育館の前を何度も素通りして迷っていたようだ。 「あっありがとうございます」 恥ずかしさのあまり名前を聞くのも忘れて体育館を目指してはしりだした。 体育館に入る前にもう一度振り返ると彼はまだこっちを見ていて手を振ってくれた。 なんて優しい!! 体育館に入っても私はしばらく余韻にひたりボーッとたたずんでいた。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加