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今日も目覚めの良い朝。でも俺はわざと寝た振りをする。俺が寝てると必ずやってくる彼女を待つためだ。
「徹平?朝だよ~。早くしないと遅刻だよぅ。」
この子は早川百花。
生まれた時から隣に住んでて、兄弟みたいに育ってきた幼なじみ。
でも気付いたら、百花は俺にとって兄弟じゃなくてちゃんとした女の子になってた。
今考えてみると、子どもの時から好きだったのかもしれない。でもあんまりにも側にいすぎて、なかなかこの気持ちを百花に伝えることはできなかった。
ズルいと言われればそうかも知れないが、笑ってる百花の隣にいる…。
それだけで今の俺は満足なんだ。
百花は自分で思っているよりも可愛い。
真っ白い肌に長い手足。ぱっちりひらいた大きな瞳に一本の枝毛もなく伸びた髪は生まれつき何故かやや栗色っぽくて、まるで可愛らしい人形のような容姿だ。おまけに結構天然で守ってやりたいタイプ。
だから必然的に男子の中でも人気があってよく色んな奴に取り持つように相談されたりもした。
冗談じゃない。百花は俺が守るんだから。
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