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確かに徹平はかっこいい。バレンタインにはいつもたくさんのチョコレートを徹平に渡して欲しいってあずかったりもした。
でも、みんなこのだらしない徹平を知らないからなんだろうって私は思ってる。
そんなみんなの知らない徹平を知ってることが私はちょっと自慢だった。
「百花~?まだいる?忘れ物~」
玄関から私のお母さんの声がした。
忘れ物なんてしてないと思うけど…。なんだろう?とりあえず玄関にでようと立ち上がった。
「もも、いつまでのんびりしてんだ?早く行かなきゃ遅刻だぞ」
徹平がはやわざで支度を終えて出てきた。
「えっ?何それひどくない?」
私は慌てて徹平を追いかける。
「ほら百花、ちゃんとこれもって!」
玄関で待ち受けていたお母さんから袋を受け取る。
徹平が先に行ってしまっていたので、中身を確認することはできなかった。
「あ~もう!早く乗れよ。」
外に出ると徹平が既に自転車で待っていた。
「ちょっと待って…」
慌てて後ろに飛び乗る。
「「いってらっしゃ~い」」
二人のお母さんに見送られ私達は学校に向かった。
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