入学式

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「そういえば百花手になにもってるの?何か今日持ってくるものあったっけ?」 気付いたように麗子が聞く。そーいえば朝お母さんからなんかもらったんだっけ…。なんだろう? 私は袋の中身を取り出した。 「げっ!」 思わず声がもれる。それは結構大きめなお弁当だった。 「もも…入学式からお弁当なんてちょっと張り切りすぎじゃね?」 徹平がちょっとからかうように笑いながらいった。 お母さんのばか! 私は顔を真っ赤にして静かにお弁当をしまった。 「それでは新入生のみなさんならんでくださ~い」 係りの人が呼びに来てみんなは廊下にでた。 私は麗子と前後になるように並んだ。 徹平は背が小さいからと自ら進んで先頭にたっていた。 もう何人かと気さくに話をしている…。 徹平っていつもそうなんだよね。人懐っこいというか、気付いたらみんなと仲良くなってて、輪の中心にいる。 私は感心しながら徹平をみていた。
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