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「…というわけで、新入生のみなさんは今日からしっかり本校生徒の自覚をもち…」
入学式は定番の校長先生の長い挨拶やらなんやらで退屈だったけど、あっけなく終わった。
担任紹介っていうのがあったけど、後ろの方にいたからあんまり顔はみえなかった。
たぶん…声からしてむっさいおじさんなんだと思う。なんかがっかりだった。
教室に戻る頃には周りも少し緊張がとけてか、和やかな雰囲気になっていた。
私も早く友達つくらなきゃなぁって思いながらもやっぱり私は麗子と二人でいた。
内気な訳じゃないけど、なんか新しい中に入る時はいつもためらってしまう…。
だからまわりからは『大人しい子』ってみられちゃうんだよなぁ。
また私は麗子の話をきかないで一人考えこんでいた。
「はい席につけ~」
担任の先生が入ってきた。
名前は権俵敦(ごんだわらあつし)
想像通りムッサイおじさんで、何でか長い定規をもっていた。
「ん?誰だ入学式から早弁してるやつは?」
担任の声に皆が一点を見つめる。
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