第一章

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 しかも彼女『りりか』は、只のギャルでは無くキャバクラ嬢として歌舞伎町の『クイーンズ』でも売れっ子だった。  彼女は一人で新聞を読んでいる席に近付き話掛けた。 「お待たせ、行こうか卓ちゃん」  卓ちゃんと声をかけられた男性、年齢は30代半ばで茶髪口髭を生やし歌舞伎町には良く見掛けるタイプで、仕事はまともな商売とは思えない。 「何を食べたい?」  りりかに卓は問い掛けながら席を立つ。 「鰻」  満面の笑みで応えながら、卓の腕を取って歩き出す。 二人は、歌舞伎町でも有名な鰻屋の個室で食事をした。
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