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ちなみに俺はすでに着替えを済ませている。 というよりは海パンを下に着ていたので、ズボンをパッと脱いでシャツをパパっと脱げばいつでも泳げる態勢であるだけだが。   「おまえというやつは…この大海を見て『早く泳ぎたーい!』とか『いっぱい日焼けしちゃうぞー!』とか思えないのかっ」   喝を入れてやる。   「だって泳ぐの得意じゃないし、あたし日焼けしにくい体質だからたぶん焼けないもん…」   しかし真っ向からばっさり斬り伏せられた。   早くも泳ぎたくてうずうずし始めている俺。だってもう何百人という人が目の前で泳いでるんだぜ?そりゃ泳ぎたくもなるってもんだろ。   早くも帰りたくてうずうずしてるアホ。なぜそんなに心が弾まないのだ…!   「まぁいい、とりあえず荷物は預けてあるし、鍵は俺が持ってるから、おまえには着替えて泳ぐという選択肢しかないしな」   「うぅ…」   まぁなんだかんだでこいつも下に水着を着ているわけだし。俺がここに来る前に着ろって言ったから。   んじゃ、とっとと着替えて泳ぐとしますか。   パパっと服を脱いで海パン姿になる。…おい、なぜそこで顔を真っ赤にしているのだ。   「…着替えるなら先に言ってほしかった…かも」   いや、もう着替えちゃったし。   「というわけで脱げ」   「どういうわけかさっぱり解らないんだけど…」     むぅ。まさかこいつがここまで強情なやつだったとは…!   仕方ない、無理矢理にでも脱がせる…! あ、俺は犯罪者じゃないからな。   「はいバンザーイ」   「?…バンザーイ」   素直に腕を真っ直ぐ上に伸ばす。   ほいガバッと。上半身が水着姿にな…る。 あれ、こいつこんなに発育よかったか…?   「…!」   目をぱちくりさせたあと、ゆっくりと視線を下におろし、猛烈な勢いでしゃがみこんだ。   「なななななな…!」   「はい次はスカートおろすぞー」   「ちょ、ちょっと待ってー!」     ドンッとおもいっきり突き飛ばされる俺。不意討ちとは卑怯なり。その勢いのまま後頭部から砂浜にダイブする。   「いきなりなにするの…」   うぉぅ、目がうるうるしてます。まさか泣くとは思わなかった。
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