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「え、ちょ、待って…」   急に走りだしたから焦って態勢を崩しそうになってるやつが一名。トロすぎる…   「一言言ってから行動して…さっきいきなり服脱いだ時にも言ったけど」   「手をつないで行くぞ」   「うん」   言うとなんか恥ずかしいんだよな。照れるというか…こいつ相手になに遠慮してたんだよ、俺は!   「うーん…」   もうだいぶこいつの水着姿には慣れたが、はた目にもやっぱ可愛いな…   「…?どうしたの?泳ぎすぎて疲れた?」   こいつ自身はまったくそんなのに気付かねぇし。さすが天然記念物。   「そんなことはない。むしろ泳ぎ足りない」   「だよねー。昔から泳ぐの好きだったもんね」   つーか意識したら手をつないでいることすら恥ずかしくなってきたぞ。   しかし、いまさら離すわけにもいかないしなぁ。   「うーん…」   「…?」   結局唸っている間にかき氷屋に着いていた。     「ブルーハワイ」   「イチゴとレモンで!」     前から思ってたけど、イチゴとレモンって甘いのとすっぱいのだから組み合わせ的にどうなのだろう。いや、食べるとおいしいんだけど。   「うー、しみるー」   幸せそうにかき氷をパクパク食べている。   さっきの意見の続きだけど、俺はかき氷にはブルーハワイが一番合うと思ってる。だっておいしいじゃん。     とりあえずキーンとする頭を押さえながら、二人とも食べきる。   「さて、どうするか」   俺は泳ぎたいが。   「んー、じゃあちょっとロッカーの鍵貸して」   「ん」   ぽいっと投げつける。両手でがっちりキャッチした。   「ナイスキャッチ」   「えへへー」   照れながら二本の指をVの字に広げる。   「ちょっと待っててね」   そう言ってロッカーに向かった。   5分ほど待ってると、手をブンブン振りつつ、「お待たせー」と言いながら戻ってきた。   「おぅ、なにそんな急いでるんだ」   「ん、急いではないけど…お財布預けてきたの」   ほぅ。つまり。   「一緒に泳ごう」   ということだろうな。こいつにしてはいい行動だ。
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