一章 ー三日坊主の壁ー

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一月二十三日(水) いち、に、さんと景気の良い日に初日記。 しかし、しょっぱなからやる気が削がれた。 昨日から調子は宜しく無かったのが、はっきりと宣告を受けたのだ。 私、現在、 ノロウイルス感染中。 下品な話になるが、上からも下からも出血大サービスとばかりに出ている。オートマティック排泄物。 こいつはマズい、と仕事先に連絡をする。 「すみません、ノロになってしまいました。」 「え?今更?」 ごもっともな反応かもしれない。ノロと言えば去年猛威を振るったウイルスだ。去年の今頃ノロになっていれば、大丈夫!?と盛り上がっただろうに。 昔から私はそういうところがある。 七月にインフルエンザになったり、夏休み中一回しか蚊に刺されなかったのに、十月中旬に葛西臨海公園へ行った際、一時間しか滞在しなかったのにも関わらず八カ所刺されたり。タイミングが人とズレるのだ。体が流行に乗り遅れる。 しかし、流行遅れだろうが辛いものは辛い。 「そうです。今更ノロです。」 「そっか。じゃあ気をつけて仕事場に向かってね!」 精一杯具合の悪さを表現したつもりだったが、全く伝わらなかったようだ。世間って冷たい。大人の世界って氷点下だ。私もとっくに大人なんだけど。 ノロだろうがなんだろうが、仕事はしなくてはいけないものなのだ。 あー ノロを呪う。 (締めがダジャレって。)
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