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が、クリスはそれだけではないと首を横に振る。
「…他に何があるよ」
「…サクラメント」
「それかい…なんだよ、別にいいだろ?言うくらい」
「言うのは勝手ですが、私の前では絶対に言わないで下さい」
言いながらコートを脱ぎ衣紋掛けに引っかける。
その様子を眺めながら煙草を銜える。
「お堅いなぁ、チェリーは。抱いてくれてる時は柔らかいのに」
「チャーリーです。何バカなことを言っているんですか。とっととその服を脱いで下さい」
「何でよ。なんの用事もないんだろ?まさか、今起きたばかりの俺を犯す「わけないでしょう!良いから早く別の服に着替えなさいッ」
「別に着てても良いだろぉ?支障はないんだからよー」
と、俺が言い返すとキッと睨んできた。
珍しく、マジ切れ…?
「貴方が白を着ることが気に食わないんです」
………………。
って、スゴい失礼なこと言ったなこいつ…
「じゃあずっとこの格好でいよーっと。チェリーへの嫌がらせで」
言うと大きなため息をついていつも持ち歩いている鞄をベッドの上で開き何かをすると同時に俺の言葉に対し無視を決め込んだらしい。
俺はゆっくりとした足取りでクリスの居るベッドへと歩み寄る。
「…何してんだ?」
「…明日、次の依頼主の出張先に向かうことになりました」
「もう依頼かよ」
えぇ…と短くうなずく相手の隣に腰掛け、開かれた鞄をのぞき込めばパソコン画面に飛行機のチケットを予約しているところだった。
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