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偶然とはいえ、手頃な武器を見つけたからには使わない手はない。
直人は物音を立てないようにと慎重になりながら鉄パイプへ手を伸ばし、
(……よし!)
しっかりと右手で掴み取ると左手で小さくガッツポーズをとった。
これで丸腰ではなくなったうえに、鉄パイプの存在を侵入者から悟られていない分、いざという時は相手の意表をついた攻撃ができるはずである──が、腐食していたことを考えると強度が問題だ。
(腐食していた先端部分を除けば錆も出ていないようだし、これなら武器としての心配はいらねえな……)
気づけば直人は鉄パイプを力強く握り締めていた。
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