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「花子ぉ~、今週の土曜日さぁ、夜あいてない?」
バタバタッと教室に飛び込んで来て、花子を揺さ振り起こしたのは、花子の友達の【幸子】だ。
「え・・・、なんかあるん・・・?」
花子はまだ寝ぼけている。
「コンパ。」
幸子はニコ~っと歯を見せた。
「無理。」
花子は即答で返す。
「が~ん・・・。」
幸子は、幸子なりにショックな顔をしたんだろう。
「ね~お願い!誰も行かないって言うの!!お願いします!!」
パンッと両手を合わす。
そんな姿を見ると断りにくい。
しかし、もともと花子はコンパに興味が無い。
今まで一度も参加した事が無い。
幸子もそんな事ぐらい分かっているはずなのに、今回は珍しくしぶとい。
「幸子、アタシは行かないよ?」
「分かってるよ!」
なんだ、ちゃんと分かってんじゃん、と花子は思った。
「本当、一生のお願いだからぁ~!」
両手を合わせて必死に頼む幸子。
ついに、断りきれなくてOKしてしまった。
「まじ?!やったー♪じゃまたメールするわぁ~♪」
幸子はコロッと態度を変え風のように去って行った。
「あ~あ、どうしよ・・・。」
花子は後悔した。
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