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小雨がパラついてきた。
いつもなら気分がドンヨリしてしまう天気。
隣にははやとが居る。
ドキドキとして笑顔になる。
花子の家に到着したのは【午前7時】。
「また連絡するからな!」
ギュッと抱きしめてキスをしてくれた。
「あ~帰したくないわぁ。」
淋しそうな目を向けるはやと。
花子も離れるのが寂しかった。
「またね。」
花子は走り去る車に手を振った。
小雨がパラついている。
いつまでも去ってゆく車を見ていた。
いつもと違う自分が居た。
「はやと君・・・。」
名前を呟くだけで気持ちが高ぶる。
服に染み付いたはやとの香り。
幸せだった。
家に帰るとすでに両親は仕事で出ていた。
静かな家。
今まで誰かが居た気配さえ無い。
ダイニングに入ると、流し台に茶碗やお皿が雑に置かれていた。
「洗えって事ね・・・。」
はぁ~
花子はため息をもらす。
それでもお皿をカチャカチャと洗い出す。
ジャー
キュッ
「終わったぁ!」
洗い物が終わると薬箱を探った。
二日酔いにきく薬が欲しかった。
「あ~気持ち悪い・・・。」
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