夏休み前

3/30
前へ
/182ページ
次へ
その日の放課後━。 「部活行こ~。」 花子に声をかけたのは、テニス部の部長【奈津子】。 奈津子は大人しいタイプの女の子。 肌は部活の為健康的に焼けている。 マツゲの長いかわいらしい女の子だ。 「ちょっと待って~!」 急いでペンケースとポーチを鞄にほうり込み、ラケットを拾いあげて肩にかけた。 「お待たせ~。」 「うん。あ、今日は先生来るって。」 「まじっ!?」 ガクッ 花子は肩を落とした。 花子にとって、部活は遊び。 試合は暑いので毎回拒否。 テニスが好きでストレス発散と運動不足解消にボールの打ち合いをしているだけだった。 先生が来るという事は練習メニューを出される。 好き放題できない。 部活らしい部活は嫌い。 「もうすぐ夏休みだから試合の事で来るんだと思うよ。」 「ん~・・・ぢゃあ先生来たら帰るわぁ。」 部室に向かった。 はやとと会えない寂しさを部活で紛らわしていた。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

329人が本棚に入れています
本棚に追加