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「あち~!」
もう夕方の7時になっていた。
空は暗くなりつつあった。
テニス部員達は、
「お疲れ様でした~!」
と、元気良く帰っていく。
奈津子は、部室の鍵を預かっているので最後まで残る。
ピリリリ
花子の携帯が鳴った。
うちわをバサバサとさせながら花子は携帯をヒョイっと取り上げて見る。
「はやと君だ!!!」
嬉しすぎて顔がほころんだ。
「・・・もしもし?」
『お~花子、何しとんの?』
いつの間にか呼び捨て。
キュン
そんなたいした事ない事が嬉しかった。
「今部活終わったとこだよ。」
花子は笑顔が止まらない。
奈津子も、花子の嬉しそうな姿を見て笑っていた。
『まだ部活か!気をつけて帰れよ?変な奴おるで!』
「うん、気をつける。」
『帰ったら連絡してな。』
「分かったぁ。」
『じゃ。』
ブチッ
「え!?切るの早っ!」
思わず突っ込みをいれてしまう。
あっという間に切られた。
奈津子が「あはは!」と笑った。
「会いた~い!」
「でも幸せそうじゃん。」
「・・・でも会えないからさぁ~。寂しい・・・。」
もっと会いたいの。
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