忘れられない存在

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ピリリリ 花子の携帯が鳴る。 だるそうにパカッと携帯を開く。 と、同時に花子の顔が明るくなった。 「もしもし、とめこぉー!久しぶりじゃん!!」 電話をかけてきたのは、同ない年の【とめこ】だ。 『久しぶり~!』 とめこは、高校2年生の春に学校を辞めていた。 学校を辞めてからも、とめこは花子と仲が良い。 天然の阿呆キャラで、歌が歌手なみに上手い。 『花子、ちょっと聞いてよぉ!』 とめこの声が少し怒っているように聞こえた。 「どぉ~したん?」 『幸子にコンパ誘われたぁ。強引すぎて断れんかったし!』 「とめこも!?」 びっくりした。 幸子は、とめこも誘っていたのだ。 『花子もかぁー!』 「うん!」 『それなら安心したよぉ。私の彼氏には内緒ね!』 そう、とめこには【じろう】という彼氏が居る。 じろうは4歳年上の21歳。 顔については、地味でしゃくれている。 とめこの尻に敷かれっぱなし。 よく3人で遊びに行ったりして、仲良しだ。 いや・・・仲良しというか、じろうは連れ回されていると言った感じ。 ようするに『アシ』。
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