329人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
ピリリリ
花子の携帯が鳴る。
だるそうにパカッと携帯を開く。
と、同時に花子の顔が明るくなった。
「もしもし、とめこぉー!久しぶりじゃん!!」
電話をかけてきたのは、同ない年の【とめこ】だ。
『久しぶり~!』
とめこは、高校2年生の春に学校を辞めていた。
学校を辞めてからも、とめこは花子と仲が良い。
天然の阿呆キャラで、歌が歌手なみに上手い。
『花子、ちょっと聞いてよぉ!』
とめこの声が少し怒っているように聞こえた。
「どぉ~したん?」
『幸子にコンパ誘われたぁ。強引すぎて断れんかったし!』
「とめこも!?」
びっくりした。
幸子は、とめこも誘っていたのだ。
『花子もかぁー!』
「うん!」
『それなら安心したよぉ。私の彼氏には内緒ね!』
そう、とめこには【じろう】という彼氏が居る。
じろうは4歳年上の21歳。
顔については、地味でしゃくれている。
とめこの尻に敷かれっぱなし。
よく3人で遊びに行ったりして、仲良しだ。
いや・・・仲良しというか、じろうは連れ回されていると言った感じ。
ようするに『アシ』。
最初のコメントを投稿しよう!