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「ここだよ。」
着いたのは、駅前の和風テイストな居酒屋。
「多分まだ来てないかも。中で待ってよ。」
幸子に言われるがままに店内へ。
店員に案内されたのは、6人の予約席。
奥からズカズカと幸子が座る。
続いてとめこ、花子の準で座った。
ピリリリ
落ち着いたと思えば幸子の携帯が鳴り出した。
「あ、はやと!」
幸子は慌てて席を立つ。
多分コンパの相手の人だろう。
幸子が席を外したの見計らッてとめこが、
「今日じろうに、花子と飲みに行くって言ったんだけど、迎えに来るらしい。」
「えーどうすんの?コンパばれん??」
「大丈夫だと思う。だから先に私だけ抜けるわぁ。」
「分かった。」
じろうは本当にお節介だ!
「送れるって~。」
幸子が戻ってきた。
「どした?」
幸子は2人してピタッと黙り込んだのを不信に感じた。
花子がフォローするように、
「ん~ん、別に。」
と言うと、とめこが、
「私先に帰るかも。」
と、申し訳なさそうに笑った。
「なんで?」
幸子はそれを聞くと顔をしかめた。
「ちょっとね。」
「・・・ふ~ん」
幸子はそれ以上聞かなかった。
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