逃走

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『お兄ちゃん、こっちー』   僕達は貴婦人服屋にいた   “ミントと僕は顔立ちが似ている…これで奴らも混乱するはずだ”   僕が考えついた作戦とは、僕がミントに変装するというものだった   カツラも用意したし、今は同じ服を買いにきていた   『どう?お兄ちゃん』   『似合ってるよ』   男でも着れるような服を選んで、それを2着ずつ買った   そして僕はそれに着替えた   もともとちょっと女顔だったので、服とカツラを揃えるとそこまで違和感はなくなっていた   二人の外見は殆ど同じになった   『お兄ちゃん似合ってるよ!』   『…ありがと』   さすがに僕も男なので、似合ってるといわれても全然嬉しくない   “むしろ悲しい…”   『なるべく人通りが多いところを通ろう』   『うんっ』   そうして僕達は人通りの多いところを選んで歩いた   歩いているとミントが僕の腕に抱き着いてきた   『こうしてると姉妹みたいだね』   『そっ…そうだね…』   “うぅ…恥ずかしい…”   そして歩き続け、家までもう少しなところまできた   『お兄ちゃん…』   ミントが脚をもじもじさせている   トイレに行きたいのであろう   二人は近くの公衆便所に来た   『行ってらっしゃい』   『ごめんね』
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