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男はサングラスをかけ、タキシードを着ているというきちんとした身嗜みだった
だが僕には
“こいつは悪いヤツだ”
そう思うことが出来た
何故だかわからないけどそう思う事ができた
すると男が口を開く
『困りますミント様。勝手にこのような地へと赴かれては…さて、参りますぞ。我等の国…いや、世界の為に!』
そうして男はミントの腕を掴もうする
『いやっ!?』
『やめろよ!!』
僕は無意識に男の手を払いのけた
『何をする!?』
『僕はミントの兄だ!お前なんかにミントを連れていかせはしない!』
すぐに僕はミントの手をとって逃げた
“初めてミントって読んでくれたね、お兄ちゃんっ”
焦る春喜とは裏腹にミントは喜んでいた
男は追うが、春喜達は道路を横断したため後続の車が次々とやってくるので春喜達を見失ってしまった
『くそっ見失っちまった…仕方ない…アルザティス様に報告だ』
男はそう呟きどこかへと消えてしまった
一方僕は遠くまで走って来たことを確認すると一息ついた
どうやらかなり遠くまで逃げて来たようだ
『何なんだよあいつ…』
そう呟くとミントが重い口を開く
『…実は…私はこの世界の人間じゃないんです…』
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