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ミントは自分を王族の娘だと言った。自分が生け贄にされると言った。
僕は理解こそしていたが納得はしていなかった
ミントは話を続ける
『今の王は私のお母様の兄にあたる人よ。けど神獣については聞いていないようね…』
ミントは話しを続ける
『…多分…側近のホーンドが糸を引いているのよ。私は王に助けを乞おうした。けどいつも城門で止められてしまう。城にいる人間の七割は彼の味方よ。だからさっきの男はそのうちの一人ね…』
ミントはそういって俯いてしまった
『もっと一緒にいたかった…』
僕はそのミントが腹の底からしぼりきって出したような小さな声を聞き取った
そこで僕はある決意をした
『ミント…一緒に逃げよう。生きるんだ』
ミントは顔を上げた
両目には大粒の涙
『うん!』
ミントはこれまでに見ない笑顔で応えてくれた
その頃
男は部屋にいた
どこの部屋かはわからない
ただ部屋の中には変な模様がたくさんあった
暗い部屋の中に蝋燭が燈してあり、ただ不気味であった
男はアルザティスと呼ばれる老人に今までの経緯を説明した
『ばかもんが…!…仕方ないの…』
アルザティスは水晶を取り出し呪文を唱えた
水晶の中には春喜とミントが映っていた
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