ジルコニアの憂鬱

憂鬱その１

心は綺麗でも顔はブサイク。

結局都合のいい、周りの引き立て役にすぎなかった。
兄や姉の周りには兄や姉を引き立て役にしようとする人はいない。私の周りにだけいるのはきっと私がそんな存在にすぎなかったんだと今ならわかる。

女の子だから恋だってする。
…けど、好きになる人にはみんな可愛い彼女がいた。
幸せそうに笑うカップルを見ながら溜め息をついたことも一度や二度ではなかった。

けれど、ある日通りかかった教室であの会話を聞くまでは心の綺麗な私でいれた。