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自分の名前さえ出なければ。
そこに気になっていたあの人がいなければ。
白くなるほど握りしめた拳はブルブル震え、噛み締めた唇は切れて血が滲んでいた。
学年のマドンナである1組のまどかちゃんは女子の間では顔だけ女として有名だった。
雑誌のモデルをしている程可愛くて、もうスカウトなども受けているらしい。
鼻高々にそれらを自慢して、可愛い顔してクラスのコをイジメる。
それでもスタイルがよくて、顔が抜群に可愛かったらそれでいいのか。
心が真っ黒で汚くても外見が綺麗でさえあればいいのか。
私はその日生まれて初めてこの顔を、この顔に生んだ両親を恨んだ。
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