序章【~始まり~】

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( ザッ ) 龍義がマウンドに立ち観客が湧く。 (ザワザワ) ( ワ――!!! ) 「最終回だ-!! この回も抑えて 延長戦で勝てッ!!」 「お前がいれば絶対負けね-よ!!」 「三振とれ-!!」 龍義: 「2番からか…」 ( フッ ) 指についたロージンを少し吹き、 ゆっくりとふりかぶる。 少しトルネード投法にも思えるくらい内側に足を入れて、 スリークウォーターから綺麗に腕を振り出す。 相手チームの監督: 「何回見ても美しいフォ-ムだ…」 誰もが見とれる程の美しいフォ-ムから、 龍義の右手よりボールが放たれる。 ゴォォォオ--ー― ( ズッッド―ン!!) ボールが風を切るものすごい音が聴こえたかと思うと、 凄まじい音と共にボールはキャッチャーミットの中に収まった。 バッターは動けない。 龍義: 「へへッ」(ニヤ) 観客: (わ――!!) 「そのボールだ-!!」 「絶対打てねぇよ!!」 相手監督がバッターに何かサインを出す。 バッター: (コクリっ) スッ 相手バッターはこわばった顔でベースのギリギリ手前に立った。 キャッチャーの野瀬がそれを見てサインを出す。 龍義: 「あぁ?」 龍義は野瀬のサインに対して首を横に振る。 キャッチャー(野瀬): 「…。」image=132293177.jpg
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