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青い空、白い雲。陽気な天気とは裏腹に、俺はかなりへこみながら公園のベンチに座った。
ボーッとしてて考えるのは、あの子のこと。
俺には、彼氏がいるのに、好きで仕方がない子がいる。
今日も今さっきまでその子と電話で話してて、相談に乗っていた。どうも、彼氏と上手くいってないらしい。
俺は彼女が好きだから、彼女には幸せになって欲しい。
でも心のどっか隅っこで、俺の汚い部分が考えてるんだ。
その子と彼氏が別れれば良いって。
「ホントに最悪だな…格好悪すぎて泣ける…」
そんなことは考えたくないのに、どこかで思ってる。
偽善者、偽善者、そう聞こえてくる気がして耳を押さえた。
「おにーさん、頭痛いの?」
塞いだ耳から、塞ぎきれなかった声が聞こえてくる。
無意識に閉じていた目を開けると、女の子が立ってた。…八歳くらいか?
「いや…別に…」
俺は耳を塞いでいた手を下ろして下を向いた。赤いタータンチェックのスカートから膝が見えて、白い靴下と赤い靴が視界に入ってくる。
何か女の子の足下を見てる変態みたいに思われたりしたら嫌で、俺は更にそこから横に目を逸らす。
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