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「月笠さん、こんばんは」
入口の戸を開きつつ、そんな声が聞こえた。同時に、茶に染めた髪をした今風の少年が入ってくる。光に照らされ、両耳のピアスが銀色にきらめいた。
「こんばんは、赤羽くん」
彼の名は赤羽 隼人(アカバ ハヤト)。近くの学校に通う高校二年生だ。モテそうな顔立ちをしてるのに、おそらくモテたことがないだろう。なぜなら…………
「まったく、香良洲(カラス)組の奴らしつこいんだよね。取引した銃の代金ちゃんと払ったのに、まだ金、請求してくるんだよ。まあ、何とか巻いたからいいんだけど」
そう、ガンマニア…銃器収集倒錯狂なのである。エアガンだけではあきたらず実銃にも手を出し、ヤクザと揉め事を起こすこともしばしばだ。そもそも店の常連になったのもヤクザに追われていた時、逃げ込んだのが、始まりである。
「まあ、いいや。月笠さんビール一杯」
「…赤羽くんまだ未成年でしょう」
「いいじゃんか、それくらい。それにオレが酒飲まないと章タイトルがおかしくなるよ」
「文句は作者に言うとして、とにかくダメです」
「ケチ~。作者だって未成年なんだぜ。」
「世間では、そういうのを屁理屈というんです。とにかくダメです」
結局、彼は烏龍茶を注文した。というか、作者って、未成年だったんですね。居酒屋が舞台の小説書いていいのか?
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