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頭の中で警鐘が鳴り響いている。
それに呼応して、疼きが止まらない右目。
そして永遠に切られる気配のないコール。
潤は意を決してケータイを手に取った。
通話ボタンに指をかけ、耳に近付けると…‥
『アナタね。』
開口一番に発するセリフとしてはまったく意味がわからない。
あっけにとられたが、名前だけでも聞いておかないと下手に動けないと思い直し、声の主に話し掛けた。
「もしもし。どちらさまですか?」
この問い掛けに返ってきたのは、予想だにしない返答だった。
『ワタシは、アナタの〝右目〟の所有者よ。』
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