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「ハハッ。ずっと君を待ってたよ。どうぞ。僕の命、欲しいんだろ?」
自嘲気味に放った言葉。
しばらく沈黙が続く。
もう電話を切ろうかと思ったその時、やっと相手が口を開いた。
『別に、アナタの命いらないわ。』
―――え?―――
困惑した彼に、女性であろうその人は続ける。
『ワタシは、アキ。潤、アナタが持ってるその目は、ワタシの目。…‥鬼の目よ。』
―――オ、ニ?―――
そんなもの信じられない、と否定したかった。
だが、確実に嘘だとは言えない。
この不気味な瞳は、この世の物とはかけ離れているのだから。
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