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「潤!潤ってば!もう、遅刻するよ?!」 桜に見惚れ、足を止めていた潤を注意する人物が一人。 藍色の髪を春風になびかせ走ってきたのは、彼の幼なじみで同じクラスの源 伊織(みなもと いおり)だった。 「あ、桜…?潤って桜好きだよね!」 「うん。散りゆく中にも力強さが感じられるから…‥」 彼は花びらをそっと掴むと、空を見上げた。 「ボクも、桜みたいに生きたいと思う。」 「そっか…」 と、校舎に備え付けられた時計に目をやった彼女は、ハッと我に返った。 「うわ!もうこんな時間?!あと5分でHR始まっちゃうよ!」 潤の腕を掴むと、彼女は大急ぎでかけだした。 そんな彼女の傍ら、 「うわ、わー」 潤は、間の抜けた声を出しながら引きずられていった。
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