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「たかしくん!何か隠してるでしょ!」
ガチャガチャガチャ!!!
大家さんがドアノブを乱暴に回し始めた。
「まじやべー!!何か隠す物は…」
俺の部屋には穴の空いたベットと、折り畳み式の机、ミニ冷蔵庫、捨てる予定のポスターがあった。
正直どれも役にたたない気がする…いや!待てよ?
「そうだ、ポスターを天井に貼れば…」
サイズが小さいいぃぃぃぃ!!
友人からもらい(別にほしかった訳ではない)一度も使われる事なく俺の家で一生を終えたアニメキャラのポスター。
最後の最後でも役にたたなかったポスターを俺は力いっぱい引き裂いた。
ごめん、つよし。
ガチャガチャガチャ!!
大家さんはあきらめてないらしく、ドアノブをまだ乱暴に回している。
「おばちゃんをなめたらあかんよ~おばちゃんにはな、合鍵があるんやから」
あきらかに口調を変えた大家さん。
ガチャガチャガチャ!
「げっ、本当に開ける気だ!」
俺はもう穴を隠す物を探すより、どう言い訳するかを考えていた。
まず空から降ってきました!何て言って信じてくれる訳がない。
俺は必死に頭を回転させた。ふと、ステッキが目に入る。
……どうせ見付かるなら……やってみるか!
ガチャガチャッ、
カチャリ…
ドアが
開いた
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