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ドガァっ!!
鈍い音がして私はそーっと横を見ると、
杏奈さんの右ストレートが綺麗に東先輩に決まっていた。
「まだいたの!?早く部活に行け!!GO!!」
と杏奈さんは東先輩を犬に言っているかのようにして追いやった。
「ったく、ちょっとは女らしくすりゃいいのに…」
「何か言った??💢」
「何でもないっす!!はい!今行きます!!」
杏奈さんの額に青筋がうっすらと見えたので東先輩は冷や汗を流しながら走っていった。
「はぁ、ったくあいつは…」
杏奈さんは世話の焼けるといった顔でベンチに座った。
「あの、杏奈…さん??」
私は思い切って話しかけてみた。
「杏奈さんってマネージャーなんですよね??」
「あぁ、そうだよ。」
そう言ってニコッと笑った杏奈さんはすごく可愛かった。
「他のマネージャーの方は…??」
私はずっとそれを疑問に思っていた。いくら見渡してもグラウンドに私と杏奈さん以外の女の人が見当たらないからだ。
「あれ??聞いてないの??」
「えっ??何をですか??」
キョトンとした顔で言われて私もキョトンとしてしまった。
「野球部のマネージャーは私だけだよ。」
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