疑惑、そして追跡

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カランカラン 「いらっしゃいませー。」 「「すいません、間違えました。」」 「「ちょ、ストップ!!」」 今の状況を説明しよう。 私たちが目的の喫茶店に入った瞬間、敦と健ちゃんが引きつった顔をして出て行ったのだ。 「なんだよここ!!」 「なにって…スイクリ??」 そう、私たちはスイクリにやってきたのだ。 敦と健ちゃんは中に入るなりその店の雰囲気に圧倒されたらしい。 「こんな乙女チックな店入れるかよ!!」 敦の言うとおりスイクリはなんとも乙女チックな喫茶店だった。 可愛い水玉のテーブルクロス、壁には雲と花が装飾され、なんと言っても店員さんの制服が可愛らしい。 「いいから入るよ!!」 「大丈夫!!男の人だってけっこー来てるんだよ。」 と、敦と健ちゃんをグイグイ押しながらスイクリに入っていった。 カランカラン 「いらっしゃいませー。」 中に入ると店員さんが近づいてきた。 「何名様ですか??」 「4人です。」 「ではご案内いたします。」 そういって店員さんは窓際の奥のテーブルに案内してくれた。 「女って…わかんねー…。」 「失礼な!!ホラ、男の人だって何人かいるでしょ??」 敦がボソッと言ったのを聞き逃さず私は反論した。 「とりあえず座らない??」 「そうだね。」 綾香が言ったのでとりあえず座ることにした。 席は 私┃綾香 敦┃健ちゃん ━━━━━━  窓際 こんな感じ。 「ご注文はお決まりですか??」 と店員さんが聞いてきた。 「あ、はい。じゃこの プレミアムキャラメルスイートイチゴホイップケーキを2つ!!」 「うぇ、何だそれ…」 私が注文すると、敦が心底嫌そうな顔をした。 「スイクリの新商品だよ。本当に美味しいんだから!!」 「へぇ~、旨そうだな。じゃオレもそれ!!」 「っおい、健!!まじかよ。」 健ちゃんもプレミアムキャラメル[以下略]を注文したので私と綾香はビックリしてしまった。 「敦は??」 「あー、俺はアイスティーで。」 「かしこまりました。少々お待ちください。」 と店員さんはそそくさと行ってしまった。
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