友からの手紙

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――およそ二時間後、ラドは町の門の前にいた。 「ふぅ、やっと着いたぜ」 着いた頃には太陽は沈む頃で、変わりに空には月が顔を出し始めていた。 普通の人間なら半日かかるような長い道のりも、ラドの強靭な脚力の前ではお散歩のコース程の長さに過ぎなかった。 中に入ると解散する子供たちの姿もちらほらと見える。 彼らはみな、とある歌を口ずさみながら家へと帰っていく。 「森の獣は何みて鳴くの~、夜のお月をみて鳴くの~。何を想って鳴くのか聞けば、聞いたその子はいなくなる~。だからお月が昇ったら~、早くお家に帰りゃんせ~」 (不気味な歌だな……こんなんじゃ夜一人でトイレに行けねぇ~) そんな事を思いながらもラドは町の東に位置する孤児院に向かっていく。 (あいつは、確かここに住んでいるんだったよな) 町で1番でかいその孤児院の前に辿り着いたラドは、階段を昇り、三階の――とある部屋の前に立った。
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