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「じゃあ早速、これを持ってくれないか」
エニケスは押し入れから何かを取りだし、ラドにつきだしてきた。
「ひっ、ひぃーー!? ――って何だ、カンテラか。まぁ待て、俺はナックル使いだからさ。両手が使えないと勝手が悪いんだ」
「……別に、腰につければいいんだけどな」
「えっ!? ……何を、腰につけるって……?」
「いや、カンテラ」
「何だ、カンテラか」
「…………」
エニケスは黙って右手に古びた刀を持ち、左手にカンテラを持った。
「相変わらず古いの使ってるな。新しいのにしたらいいんじゃないか?」
「いや、これでいいんだ。――よし、じゃあ行くか」
エニケスが背中越しにラドに言った。
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