友からの手紙

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「まじかよ! できるのかよ! てかやっていいのかよ! 普通は鍵とか見つけて、タラタラッタッタッターン♪とか鳴るんじゃねぇのかよ」 「ん、それはなにか違う気がするが……まぁ俺はできるぞ」 そう言うと、エニケスは刀を向こう側に投げ、それから鉄格子の上に両手をかけると、力むことなく軽く乗り越えてみせた。 「ウホッ、すげぇ……」 「まぁ鍛えてるからな。お前もこっちへ来るといい」 「……ったく、無茶言うよなぁ」 休み中は寝てばかりいて体がなまっていたが、ここは意地だ。 ラドは鉄格子に手を掛け、思い切り腕と脚に力を込めてジャンプした。 すると、思いの他簡単に鉄格子の上に上ることが出来た――が、油断をしたせいか足を滑らせ、そのまま背中から向こう側へと落ちてしまった。 「いってぇ!」 息が詰まる。ベッドの上から落ちて背中を打った時の、あの感覚だ。 ――って、この高さから落ちたのに、ベッドから落ちた時とあまり変わらない? 「おいおい……大丈夫か? 下が草で助かったな」 なるほど、草が衝撃を和らげてくれたのか、とラドはエニケスの言葉で理解し、それから立ち上がった。 「大丈夫なら先に進むぞ?」 「へ~い……」 そして二人は森の奥へと歩み始めた。
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