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――――ボクは、いつからこの夢を見続けているんだろうか。
数日前?
いや、違う。
この永い時のあいだ、永遠とも言える時間の中でも、ずっと見続けてきた。
君の、皆の悲しみを受けとめるために。
ねぇ、知ってるかい?
道化師は心で泣いていても、顔では笑っているんだって。
皆を悲しませないためにね。
だから僕はその道化師となって、ずっと笑っていようと思うんだ。
すべてが終わる、その時までね。
――本当は、ボクだって泣きたいよ?
思いきり、涙を流したい。
でも、今はまだその時じゃない。
皆だって、悲しいだろうから。
ボクだけが、涙を流すわけにはいかないから。
だからそれまで、その時が来るまで、ボクは笑顔で君たちの悲しみを受け止めるよ。
さぁ、そろそろ始めようか。
これは、とある少年の鎮魂歌だ――
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