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「今夜も、月明かりのおかげでカンテラは必要なかったようだな」
そう言ってエニケスはカンテラを森の入り口においてきていた。
「そんで、この森に入って、一体何がわかるんだ?」
「ん、それはだな、この森に入ってから翌日までの記憶が曖昧な時があったんだ。もしその間に、俺が手紙を書いていたとしたらどうだ?」
「あ? よくわからねぇな……」
「心配するな。俺はよく分かっている」
「……じゃあさ、この森って立ち入り禁止だけど……なんかあんの?」
「さぁ? 俺はいい場所だと思うんだがな。少なからず魔物がいるからじゃないか?」
エニケスは無表情で言った。そして、いきなり不敵な笑みをこぼしたかと思うと――
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