55人が本棚に入れています
本棚に追加
――少し進んだ辺りで、ラドが立ち止まる。
「なぁ、さっきから誰かに見られてるような気がしないか?」
「いや、特に何も感じないが?」
「おまえいつもこういうことには敏感だろ!? 魔物がこっち狙ってるとかさ!! 何か無いのかよ!?」
「それはない。それより先に進もう」
そう言うとエニケスはラドの言っている事を気にも止めずに、また奥へと歩み始めた。
「おいこら! 待てよ!」
さっさと町に戻りたいと願っていたラドだったが、一人取り残され引き返すのも怖い――そんな気持ちからか、彼はエニケスの後を追うことしか出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!