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「ブーン……ブーン……」
更に奥に進んだ辺りで、二人はようやく魔物の正体を掴んだ。
それは、七つ目の――――巨大な蛙だった。
――いや、七つ目だけではない。
六つ目や五つ目の蛙もいる。
その眉間から脳天にかけて乗っている無数の眼球は疎らに蠢き、その一つ一つが――まるで、別の生き物に見えるほどだ。
奴らは大群で、ラドたちに対して威嚇をしているみたいだった。
「何だこの化け物は……」
その群の先頭にいる七つ目の蛙は、他の蛙よりも特に大きい。
恐らく群れのリーダーだろう。
場合によっては、人がのみ込まれてもおかしくない大きさだ。
「ふっ、俺がやる」
エニケスは微笑み、軽くビビっているラドを尻目に刀を構え、駆け出した。
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