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俺の部屋から続く特製縁側に2人で座って、その日俺たちは青い空を眺めていた。
俺たちの他には道を行く人もいない。
他に何の雑音も聞こえない。
とても静かで、まるでお前と2人きりの世界に知らねぇ間にきちまったみてぇだ。
心地よい陽の光をあびて、体はぽかぽかとあったまっていく。
意識がボーッとして、俺はだんだん眠くなった。
「ねぇ 新」
莉海は空を眺めたまま静かにそう言った。
「あ?なんだよ」
俺も空を眺めていた。
雲が風にながされてく。あぁ綺麗だな・・・・・
「運命って・・・信じる?」
莉海が俺をそっと見たのが分かった。
「運命?・・・なんだそりゃ?」
「優姫が言ってたの・・・・・」
また優姫かよ・・・・俺は心の中で ちっ と舌打ちをした。
あいつの話題は大抵ロクなもんじゃねぇ。
余計な知識をあまり持ち合わせていない天然な莉海の頭を、あいつはいつもどうでもいい事で悩ませる。
そんでもって、そのシワ寄せは間違いなく俺んとこにくるんだよっ
「優姫が・・・何だって?」
「うん。あのね・・・・・・」
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