MOON LIGHT TEARS

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               10Mと言う距離は俺に逃げる猶予すら与えてくれなかった。                「キャスターで良ければ吸われます??」               いつの間にか俺の口には火のついた煙草。 ほのかに甘いバニラのフレーバー。 「…お前は、なんだ。」                彼は、心地よいくらいの間を含み、                「…幾度と同じように尋ねられて来ましたが、 やはり、それは、ひどく難しい御質問ですね。」               
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