秋風吹く街で

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その日もローラは何かを追跡していた。 地面に残る匂いを追い、あちらこちらに引っ張る始末。 決して聞き分けが悪いわけでもなく、声をかければ一旦はやめる。 しかし、再び興味をそそられる匂いを見つけると、たちまち警察犬に早変わりである。 私が散歩相手の時はそれでもいい。 妻が連れて行く時にこれをやられると、かなり参るらしい。 これが前の飼い主、院長夫妻を泣かせたローラの所業である。
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