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宗治は我慢できなくなって、運転手に抗議する。
「いつになったら降りられるんですか。早く学校に行きたいんだ」と。
しかし、返ってきたのは沈黙だった。
運転席を見れば、そこには誰もいなかった。
しかしバスは走り続けていた。
どこまでも走り続けていた。
目が覚める。宗治は悪夢で良かったと心底安堵した。
気が付けば、理由は分からないが、高校前にあるバス亭の前で倒れていた。
何故、自分がこんなところに倒れているのだろうと疑問に思ったが、何より、あの事が夢で良かったと思って、そんなことは気にはならなかった。
まぁいいか。宗治はそう思って、校内へと入っていった。
「それにしても今日はやけに静かだなぁ……」
それがその日の学校の第一印象だった。
――終
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